講演会報告「中米の今—帰任大使の最新報告—」 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

講演会報告「中米の今—帰任大使の最新報告—」


 2013年11月22日(金)15:00から17:00まで、米州開発銀行(IDB)アジア事務所会議室にてIDB後援のもと、このほど帰任された峯村保雄(エルサルバドル)、加来至誠(ホンジュラス)、並木芳治(コスタリカ)の3大使による講演会を行いました。各大使の主なご発言は次のとおり。(写真は左から並木コスタリカ大使、加来ホンジュラス大使、峯村エルサルバドル大使)

 峯村保雄大使——エルサルバドルは、1955年に最初の日本企業が進出してから良好な経済関係を築いてきており、アジア諸国の中でも日本との関係を重要視し、わが国の存在感がエルサルバドル国内で増している。近年では着実に民主主義が根付いてきているものの、治安の悪さが一因で経済成長が停滞しており、中米諸国の中では最低の成長率である。しかし、日本や米国などからの援助を受け、国内の整備・開発に注力しており、今後国外からの投資が増えることが期待される。

 加来至誠大使——ホンジュラスは日本同様、自然災害が多い国であることから、日本で起きた東日本大震災に際し同国から支援の手が差し伸べられた。2015年に大西洋から太平洋に通じる陸路交通網が整備されるインフラ計画が進んでいるが、村落部へのアクセスは十分ではなく、経済発展を目指すには改善すべき点が多々ある状況である。

 並木芳治大使——コスタリカは他の中米諸国とは異なり、非武装中立国で教育など人間の安全保障面を大切にしている。観光立国としてのイメージ作りやアピール力、そして、環境保全に力を入れる一方で、経済面でもチリ、ペルー、メキシコ、コロンビアの4カ国で組織される太平洋同盟への加入により、アジア諸国との関係性を重視するなどバランスのとれた未来志向型の国づくりを行っている。

 講演後、横断道路の運用などを中心に30名を超える参加者との間で活発な質疑が繰り広げられました。

 講演会配布資料は「ダウンロード」ページ[url=http://www.latin-america.jp/modules/d3downloads/index.php?cid=5][color=FF6600]「講演会配布資料」[/color][/url]をご参照下さい。

(2013-11-22)

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