ラウンドテーブル報告「メキシコの2013年憲法改正とその後の挑戦」 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

ラウンドテーブル報告「メキシコの2013年憲法改正とその後の挑戦」


ラウンドテーブルを開催―メキシコの「2013年憲法改正とその後の挑戦」と題して;
 7月23日、午後4時から6時まで、IDBアジア事務所会議室において、来日中のメキシコのCIDE(Centro de Investigacion y Docencia Economicas;経済教育研究センター)のCarlos Elizondo Mayer-Serra教授をお迎えし表題のラウンドテーブルが開催された。出席者はラテンアメリカ研究者および協会関係者9名。
 教授による約40分のプレゼンテーションは、①ペーニャ・ニエト大統領による教育、選挙制度、財政、テレコム、エネルギー等の各分野における改革について、それがメキシコに根差す構造的問題(様々なセクターにある独占的な存在と非競争性、官僚制、汚職など)に対してメスを入れるものであり、複雑で難しい政治過程であること、しかし②メキシコの製造業の輸出競争力は向上しており、憲法改正によって限定的ではあるが、エネルギー分野に民間部門が参入することが出来るようになったこと、石油および電力分野の改革成果として石油の生産増加とコスト削減等の効果が期待される、といった内容であった。ただ、国際的には歓迎されているこうした改革に立ち向かうペーニャ・ニエト大統領ではあるが、成長鈍化、治安悪化などが影響し国内における人気は低下傾向を示しているとの指摘であった。
 プレゼンテーションの後、出席者との間で質疑応答が交わされたが、ペーニャ・ニエト政権の改革の背景について、メキシコ革命、政権復帰以前のPRI(制度的革命党)政権からの遺産、PACTO(政党間合意)など歴史的・社会的な説明があった他、最近の話題としてはTPP(環太平洋経済連携協定)の影響、国営石油会社PEMEXの改革に対する組合の反応、太平洋同盟をはじめとするラテンアメリカ諸国とメキシコの関係など、話題は広範に及んだ。

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