イスパニカから <スペイン語圏の映画4本> - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

イスパニカから <スペイン語圏の映画4本>


現在上映中、あるいは8月公開予定の映画4本をご案内します。

・NO(ノー)
・クライマー パタゴニアの彼方へ
・ジプシー・フラメンコ
・リアリティのダンス

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■NO (ノー)

8月30日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町
ほか全国順次ロードショー
主演:ガエル・ガルシア・ベルナル 他
監督:パブロ・ラライン
受賞:カンヌ国際映画祭 監督週間アートシネマアワード

1988年の南米チリ。ピノチェット軍事独裁政権の末期に、その存続についてSIか
NOかを問う国民投票が行われた。主人公は新進気鋭の若い広告マン、レネ。NO陣
営に雇われ、毎日15分間のテレビ広告キャンペーンを27日分ひねり出す。家系は
左派だが本人はあまり政治色がないレネの広告は、当初NO陣営の面々から非難さ
れるが、ユーモアと未来への希望をうたい、徐々に人々の支持を集めていく。実
話に基づく社会派エンターテイメント。2時間が短く感じる。詳しくは
www.magichour.co.jp/no/

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■クライマー パタゴニアの彼方 へ

8月30日より新宿ピカデリー他全国ロードショー!
出演:デビッド・ラマ、ペーター・オルトナー他

南米パタゴニアにそびえ立つ3102メートルの花崗岩の孤峰セロ・トーレ。難攻不
落のこの山に挑むのは、オーストリア人の母とネパール人シェルパを父に持つク
ライマーのデビッド・ラマ。しかも、フリークライミングで登るという。つまり
ボルトなど人工的な手段に頼らず、自然の造形だけを利用して命綱と素手で登る
のだ。人間が米粒ほどにしか見えない断崖絶壁に張り付き、瞬時の判断力と優れ
た身体能力、強靭な精神力で頂上を目指す。3年がかりで撮影されたドキュメン
タリー。ヘリから撮影された雄大なパタゴニアの自然を背景に、息をのむシーン
が続く最後の20分が圧巻。言語は英語とドイツ語。詳しくはhttp://climber-movie.jp/

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■ジプシー・フラメンコ (BAJARI)

8月9日(土)よりユーロスペース(渋谷)ほか全国順次公開
出演:カリメ・アマジャ、メルセデス・アマジャ
フアニート・マンサーノ

伝説の踊り手カルメン・アマジャの生誕100周年を記念して制作されたドキュメ
ンタリー。カルメン・アマジャの主演映画〈バルセロナ物語〉の上演シーンから
この映画は始まる。ジプシー出身の5歳のホアニートは踊り手になりたくて仕方
ない。幼いながらカルメン・アマジャの機関銃のようなサパテアードに合わせ、
リズムを正確に刻む。一方でカルメン・アマジャを大叔母にもつ踊り手カリメは
バルセロナのミュージシャンに誘われ、同じく踊り手の母親も呼んで、カルメ
ン・アマジャ追悼公演にむけてリハーサルを繰り返す。ジプシーの生業の一つ
だった蹄鉄づくり、小さなホアニートの赤い靴の製作過程… 脈々と受け継がれ
てきたジプシー・コミュニティの文化が踊りと歌の合間に描かれ、伝統文化の未
来に希望がもてる。詳しくはhttp://gypsy-flamenco.com/

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■リアリティのダンス (DANZA DE LA REALIDAD)

7月12日(土)
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、
渋谷アップリンクほか全国順次公開
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー

ジョン・レノンなど世界のクリエイターを熱狂させたチリのアレハンドロ・ホド
ロフスキー監督(85歳)、23年ぶりの新作。舞台は1920年代、軍政下のチリ。主
人公は幼いホドロフスキー自身。外ではいじめの対象とされ、家でも専制的な父
親から男らしさを強要される。トコピージャという実在の町を背景にしながら、
いたましくも瑞々しく人間の和解の物語が絵画的世界のなかで展開する。赤い
靴、サーカス、小人… すべてオペラ風に歌われる母親のスペイン語が美しい。
詳しくはhttp://www.uplink.co.jp/dance/

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イスパニカ
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