各種資料 - 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

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講演会報告:「グローバルサウスの政治経済学」双日総合研究所 チーフエコノミスト 吉﨑達彦氏

【演題】グローバルサウスの政治経済学
【講師】吉崎 達彦氏 双日総合研究所 チーフエコノミスト
【日時】2023年10月18日(水)10:00~11:30(日本時間)
【後援】東京商工会議所¥ 日本在外企業協会
【場所】オンライン
【参加者】53名

冒頭、司会の山田常務理事より吉崎氏のブログ「溜池通信」とその中の「かんべえの不規則発言」の紹介があった。

吉崎氏は、今年になって可視化された「グローバルサウス」という用語が、最近の国際政治経済の中でどのような意味を持つかについて、IMFのデータをはじめとする様々な資料を用いて分かりやすく整理・説明された。なお当日吉崎氏が用いられた資料は協会ホームページに掲載する。

「グローバルサウス」については、各国がどの程度自分の国をグローバルサウスと考えているかは微妙で、特に中国はあいまいな位置にある。コロナ後の経済を見ると、先進国はコロナ前に戻っているのに対して、新興国・発展途上国はコロナの影響を脱しておらず、両者の間のギャップは拡大している。

「グローバルサウス」は、近年のドル金利の上昇、資源価格の上昇、ウクライナ戦争の影響等に関して「カンベンしれくれ」と思っている。先進国はそうした痛みを理解できない。

ニューデリーでのG20サミットには習近平もプーチンも参加しなかったが、来年のブラジルG20、再来年の南アフリカG20によってG20は一巡し、新たな時代を迎える。G20は先進国と新興国の「合従連衡」であり、G20 とBRICSのメンバー構成には様々な不条理がある。例えばG20 に南アフリカが入り、ナイジェリアが入っていない、BRICS+6ヵ国にアルゼンチンが入ったのにメキシコは入っていない、等々。

中国で開催されている「一帯一路」国際フォーラムでは習主席とプーチン大統領が会って何を話すかが重要。この秋の政治外交日程では、米国のCR(つなぎ予算)、APEC首脳会議(11月18‐19日、サンフランシスコ、習近平出席予定)が注目される。

「グローバルサウス」の暫定的整理:①ひとつの固まりではない、➁西側先進国に対する反発が常に存在する(先進国は理解していないが、日本には気付いて欲しい)、➂G7、G20には国際法上の裏付けがない、④上手に「仲間を作ること」が肝要(味方を増やす)、⑤2024~2026のG20が重要。

講演後、グローバルサウスの今後の動き、BRICSの今後、メキシコについて、G20に一体感はあるか、SDGSどころではない現状、グローバルサウスがパワーになり得るか、欧米諸国の「上から目線」等に関して興味深い質疑応答があった。

ファイル名(File Name) 講演会資料_グローバルサウスの政治経済学.docx
ファイル容量(File Capacity) 16 KB
バージョン(Version) 1
作成日(Published) 2023年10月23日
ダウンロード回数(Downloaded Numbers) 21 回
カテゴリ(Category) 講演会配布資料
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