草思社 2022年3月 325頁 1,800円+税 ISBN978-4-7942-2569-6
『古代マヤ・アステカ不可思議大全』(https://latin-america.jp/archives/5776)、『古代インカ・アンデス不可思議大全』(https://latin-america.jp/archives/52285)やエジプト、ギリシャ文明など古代文明に魅せられ、これまで漫画による解説、紀行書を6点出しているシリーズの1冊。最終的にチリ領になっている孤島のモアイ像に象徴されるイースター島の最初の到達者伝説、ポリネシアの人の移動と人の営み、モアイが神像ではないこと、制作方法、顔の変遷、島内での戦争による制作ストップ、キャプテン・クック等西欧人の到来、部族間の争いによるモアイ倒し、オロンゴの儀式、チリによる併合、ノルウェーの文化人類学者ヘイエルダールの先住民南米起源仮説を実証しようとした筏による実験航海、もはや書ける者も解読者も残存原文資料も無くなってしまった先住民の文字ロンゴロンゴに至るまでの通史と、著者の詳細な遺跡、博物館往訪記に参考文献リスト、索引を付した解説書。
平易な文章と漫画イラストによる解説だが内容は正確で実によく調べており、これ一冊でイースター島の謎、歴史、見所が面白く読める。
〔桜井 敏浩〕