連載レポート70: 桜井悌司「東京2020オリンピックとラテンアメリカ・カリブ諸国のメダル獲得状況」 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

連載レポート70: 桜井悌司「東京2020オリンピックとラテンアメリカ・カリブ諸国のメダル獲得状況」


連載レポート 70

東京2020オリンピックにおけるラテンアメリカ・カリブ諸国の金銀銅メダルの獲得状況

執筆者:桜井 悌司(ラテンアメリカ協会常務理事)

 東京2020オリンピックも無事終了し、日本中が金銀銅メダルラッシュで沸き立った2週間であった。日本が獲得したメダル数は、金27、銀14,銅17の合計58個になり、米国、中国に次ぐ堂々3位であった。

2021年7月に、「ラテンアメリカのゴールド・メダリストたち」というレポートでオリンピック発祥以来、2016年リオ・オリンピックまでのラテンアメリカ・カリブ諸国のゴールド・メダリストをリストアップしてみた。本稿は、そのフォローの一環である。https://latin-america.jp/archives/49001

下記に、2016年リオと今回の東京のラテンアメリカ・カリブ諸国の金銀銅メダル獲得状況である。いくつかの興味ある点が指摘できる。

*ブラジル人は元々オリンピックには大きな関心を示さなかったが、2016年にリオでオリンピックが開催されたこともあり、金7、銀6、銅6の19のメダルを獲得した。東京では、それを上回る金7、銀6、銅8の21個のメダルを勝ち取った。地元の新聞では、リオ・オリンピック効果と報道されている。サッカー優勝、女子バレーボール2位と団体競技だけでなく、体操、水泳、サーフィン、スケートボード、ボクシングなどでも金銀等のメダルを獲得した。

*キューバは国策としてスポーツ振興を行っているが、リオの金5、銀2、銅4の11個から、東京では金7、銀3、銅5の15個とすべてのメダルで前回を上回った。ただボクシング、レスリング、柔道、テコンドーと格闘技に偏っている感がある。

*ジャマイカは、ウサイン・ボルト引退の後は、往時の勢いはないが、それでも金4、銀1、銅4の合計9個を獲得した。

*大きく躍進した筆頭はエクアドルで、前回のリオではメダル0であったが、東京では、金2、銀1と3個もメダルを取った。

*その他躍進した国は、ベネズエラ、バーミューダ、ドミニカ共和国である。

*コロンビア、アルゼンチン、メキシコは振るわなかったと言えよう。

*南米の中心国のペルーとチリは、残念ながら、いずれもメダル0である。

ラテンアメリカ・カリブ諸国のメダル獲得数ランキング(東京2020オリンピック及び2016リオ・オリンピック)

順位 世界順位 国名 合計
1位 12位 ブラジル 7(7) 6(6) 8(6) 21(19)
2位 14位 キューバ 7(5) 3(2) 5(4) 15(11)
3位 21位 ジャマイカ 4(6) 1(6) 4(1) 9(13)
4位 38位 エクアドル 2(0) 1(0) 0(0) 3(0)
5位 42位 バハマ 2(1) 0(0) 0(1) 2(2)
6位 46位 ベネズエラ 1(0) 3(1) 0(2) 4(3)
7位 63位 プエルトリコ 1(1) 0(0) 0(0) 0(1)
7位 63位 バーミューダ 1(0) 0(0) 0(0) 1(0)
9位 66位 コロンビア 0(3) 4(2) 1(3) 5(8)
10位 68位 ドミニカ共和国 0(0) 3(0) 2(1) 5(1)
11位 72位 アルゼンチン 0(3) 1(1) 2(0) 3(4)
11位 84位 メキシコ 0(0) 0(3) 4(2) 4(5)
12位 86位 グレナダ 0(0) 0(1) 1(0) 1(1)

(注) ( )内は2016年リオ・オリンピックでの獲得数

以下、業種別のメダリストの名前と国籍をフルネームに近い形で紹介する。

「陸上競技」

女子100メートル 1位金 エレーン・トンプソン・ヘラ(ジャマイカ)

女子100メートル 3位銅 シェリカ・ジャクソン(ジャマイカ)

女子100メートル障害 1位金 ジャスミン・カマチョ・クイン(プエルトリコ)

女子100メートル障害 3位銅 メ―ガン・タッパー(ジャマイカ)

男子110メートル障害 1位金 ハンスル・パーチメント(ジャマイカ)

男子110メートル障害 3位銅 ロナルド・リビ(ジャマイカ)

女子200メートル 1位金 エレーン・トンプソン・ヘラ(ジャマイカ)

男子400メートル 1位金 スティーブン・ガーデイナー(バハマ)

男子400メートル 2位銀 アントニオ・ホセ・サンブラーノ(コロンビア)

男子400メートル 3位銅 キラニー・ジェームズ(グレナダ)

女子400メートル 1位金 ジョーニ―・ミラーウイボ(バハマ)

女子400メートル 2位銀 マリレイデイ・パウリーノ(ドミニカ共和国)

男子400メートル障害 3位銀 アリソン・ドス・サントス(ブラジル)

女子400メートルリレー 1位金 ジャマイカ

女子1600メートルリレー 3位銅 ジャマイカ

混合1600メートルリレー 2位銀 ドミニカ共和国

女子20キロ競歩 2位銀 サンドラ・ロレーナ・アレナス(コロンビア)

女子三段跳び 1位金 ユリマル・ロハス(ベネズエラ)

女子円盤投げ 3位銅 ヤイメ・ペレス(キューバ)

男子棒高跳び 3位銅 チアゴ・ブラス(ブラジル)

男子走り幅跳び 2位銀 フアン・ミゲール・エチェベリア(キューバ)

男子走り幅跳び 3位銅 ミゲール・マッソ(キューバ)

「競泳」

男子50メートル自由形 3位銅 ブルーノ・フラトゥス(ブラジル)

男子200メートル自由形 3位銅 フェルナンド・シェフェル(ブラジル)

「オープンウオーター」

女子10キロマラソン・スイミング1位金 アナ・マルセラ・クーニャ(ブラジル)

「体操」

女子個人総合 2位銀 レベカ・アンドラ―デ(ブラジル)

女子種目別跳馬 1位金 レベカ・アンドラ―デ(ブラジル)

「アーチェリー」

混合団体 3位銅 メキシコ

「射撃」

男子ラピッドファイヤピストル 2位銀 レウリス・プポ(キューバ)

「自転車」

男子個人ロードレース 1位金 リチャード・カラバス(エクアドル)

男子BMXレース 3位銅 C.ラミレス・ジェペス(コロンビア)

女子BMXレース 2位銀 マリアナ・パホン(コロンビア)

男子BMXフリースタイル・パーク 2位銀 ダニエル・デルス(ベネズエラ)

「スケートボード」

男子ストリート 2位銀 K.ホフラー(ブラジル)

女子ストリート 2位銀 ライサ・レアウ(ブラジル)

男子パーク 2位銀 ペドロ・バホス(ブラジル)

「重量挙げ」

男子67キロ級 2位銀 ルイス・モスケラ・ロサーノ(コロンビア)

男子73キロ級 2位銀 フーリオ・マヨラ(ベネズエラ)

女子76キロ級 1位金 ネイシパトリシア・ダホメスバレラ(エクアドル)

女子76キロ級 3位銅 アレミ・フエンテス(メキシコ)

男子81キロ級 2位銀 サカリアス・ボナトミケル(ドミニカ共和国)

女子87キロ級 2位銀 タマラ・サラサール・アルセ(エクアドル)

女子87キロ級 3位銅 クリスメリー・サンタナ(ドミニカ共和国)

男子96キロ級 2位銀 ケイドマル・バレニラ(ベネズエラ)

「サーフィン」

男子 1位金 イタロ・フェヘイラ(ブラジル)

「レスリング」

男子グレコローマン60キロ級 1位金 オルタ・サンチェス(キューバ)

男子フリースタイル97キロ級 3位銅 レイネルス・サラス・ペレス(キューバ)

男子グレコローマン130キロ級 1位金 ミハイン・ロペス・ヌネス(キューバ)

「柔道」

男子66キロ級 3位銅 ダニエル・カルグニン(ブラジル)

女子78キロ級 3位銅 マイラ・アギアル(ブラジル)

女子78キロ超級 2位銀 イダリス・オルテイス(キューバ)

「ボクシング」

男子フェザー級 3位銅 ラサロ・アルバレス(キューバ)

女子ライト級 2位銀 ベアトリス・フェレイラ(ブラジル)

男子ライト級 1位金 アンディ・クルス(キューバ)

男子ウエルター級 1位金 ロニエル・イグレシアス(キューバ)

男子ミドル級 1位金 エベルト・ソウザ・コンセイソン(ブラジル)

男子ライトヘビー級 1位金 アルレン・ロペス(キューバ)

男子ヘビー級 1位金 フリオ・ラクルス(キューバ)

男子ヘビー級 3位銅 アブネル・テイシェイラ(ブラジル)

「テコンドー」

男子80キロ超級 3位銅 ラファエル・アルバカステージョ(キューバ)

「トライアスロン」

女子 1位金 フロ-ラ・ダフィー(バミューダ)

「サッカー」

男子 1位金 ブラジル

男子 3位銅 メキシコ

「バレーボール」

女子 2位銀 ブラジル

男子 3位銅 アルゼンチン

「ホッケー」

女子 2位銀 アルゼンチン

「ラグビー7人制」

男子 3位銅 アルゼンチン

「野球」

男子 3位銅 ドミニカ共和国

「テニス」

女子ダブルス 3位銅 ラウラ・ピゴッシ、ルイザ・ステファニー(ブラジル)

「カヌー」

カナディアンペア1000メートル 1位金 キューバ

カナディアンシングル1000メートル 1位金 イザキアス・ケイロス・ドス・サントス(ブラジル)

「セーリング」

女子49erFX級 1位金 ブラジル(マルティーヌ・グラエル、カへナ・クンゼ)

以   上