「世界古代文明の謎を探る」(103)インカに見る文明の破壊と抵抗の歴史 | 一般社団法人 ラテンアメリカ協会

「世界古代文明の謎を探る」(103)インカに見る文明の破壊と抵抗の歴史


「世界古代文明の謎を探る」(103)インカに見る文明の破壊と抵抗の歴史

【主 催】 アストライアの会
【協 力】 日本ペルー協会 他  
【ゲスト】 松本亮三さん 東海大学名誉教授 比較文明学会副会長
【日 時】 令和8年1月31日(土)午後2時から5時
【会 場】 豊島区イケビズ第一会議室
【道 順】 池袋駅西口より池袋消防署の先き 徒歩約9分
【費 用】 お茶代込み参加費二千円
【備 考】 画像を見ながらお話し。後半はゲストを交えたお茶会です。
【連絡先】 TEL049(258)3218 松原まで

大航海時代は先住民にとって悲惨な時代の幕開け

「インディアスの破壊についての簡潔な報告」という文書が有る。執筆者のドミニコ会士ラス・カサスはペルーを含む中南米で、進出したスペイン人の先住民に対する残虐非道な扱いに心を痛め、スペイン王カルロス5世に先住民保護を訴えたものである。

それによると“彼らは老若男女を問わず、妊娠中の女性も産後間もない乳飲み子もことごとく捕え、腹を引き裂きずたずたにした。生き残った先住民は奴隷にされ、獣以下の扱いで働かされた。”とある。

もちろんインディオ達の反抗も止まなかった。“アンデスの先祖古来の信仰に戻れ”という「タキ・オンコイ」運動では、民衆は征服者が海に吞まれ、土着の神々が復興する事を信じて、憑かれたように歌い(ラス・カサスの文をもとにした挿絵の一部)踊った。

インカ帝国はマンコ・インカによるクスコ包囲戦やビルカバンバの山岳抵抗などを経て滅ぶ事となる。インカが築いた農業中心の経済システムは崩壊し、インカの神々や伝統的な儀式は異教のものとして排除された。しかしインカの遺産は完全には消えず、アンデス地方の先住民は伝統文化を守り続け、現代にもその痕跡が残っている。

アストライアの会
_インカに見る文明の破壊と抵抗の歴史[PDF]