【ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート 】「ラテンアメリカ・カリブ諸国の気候変動対策の展望:COP26 会議の合意を踏まえて(上)」桑山幹夫
第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が2021年10月31日から11月12日までの日程で、197の国と地域が参加して英国のグラスゴーで開催された。合意文書には、石炭火力発電の段階的削減、森林破壊停止、メタン排出削減、パリ協定第6条(市場メカニズム)など、特にラテンアメリカ・カリブ(LAC)諸国にとっての重要事項が幾つか含まれことになった。LAC地域には、2030年および2050年に向けて気候変動への野心的な取り組みを設定し、それらを達成するための暫定的な政策枠組みを進めてきた国もある一方で、環境保護がコロナ禍後の経済回復の足かせになりかねないとの懸念から対策が進まない国も幾つかある。
本レポートは(上)(下)に分けてCOP26とLAC諸国の気候変動対策について分析する。(上)では、COP26会議での合意内容がLAC諸国にとっていかなる意義があるのか、またLAC諸国主催のサイドイベント、同地域諸国がCOP26会議に提出した「国が決定する貢献:Nationally Determined Contribution(NDC)」の評価、そしてLAC経済主要国の近年の気候変動対策について考察する。本レポート(下)では、気候変動から生じるビジネスチャンスとLAC諸国が気候変動目標達成するにあたって直面する課題に焦点をあてて分析する。
<目次>
- はじめに(上)
- ラテンアメリカ・カリブ諸国は COP26 で何を約束したのか?(上)
- 石炭火力発電の「段階的削減」
- 森林破壊停止宣言
- メタン排出削減に関する共同宣言
- パリ協定 6 条(市場メカニズム)
- 「東部熱帯太平洋海洋保護区」
III. COP26 での LAC 諸国によるイベント開催(上)
IV. COP26 に向けて:LAC 諸国の NDC の評価(上)
V. LAC 諸国の気候変動対策:近年の動き(上)
- アルゼンチン
- ブラジル
- チリ
- コロンビア
- コスタリカ
- メキシコ
- ペルー
VI. 数値でみる米州大陸: GHG 排出量と二酸化炭素吸収源(カーボンシンク)(下)
VII. LAC 諸国が直面する課題(下)
VIII. 気候変動を機に生じるビジネスチャンス(下)
IX. ゼロ排出に向けての長期的戦略(下)
X. おわりに(下)
ファイル名(File Name) | 「ラテンアメリカ・カリブ諸国の気候変動対策の展望:COP26会議の合意を踏まえて」上.pdf |
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ファイル容量(File Capacity) | 1 MB |
バージョン(Version) | 1 |
作成日(Published) | 2022年1月24日 |
ダウンロード回数(Downloaded Numbers) | 364 回 |
カテゴリ(Category) | ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート |