ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート「中米ニカラグア外交:台湾断交から対中外交復活へ、その背景と狙い」浜端喬
「中米ニカラグア外交:台湾断交から対中外交復活へ、その背景と狙い」
2021年11月7日、中米のニカラグアで大統領選挙が実施され、現職のダニエル・オルテガ大統領は75%を超える得票率で当選し、連続4期、通算5期目を決めた。ただ、投票日までに野党の有力な候補者を逮捕するなど反体制派への抑圧は厳しく、国内外から強い非難を浴びた。そのような非難にもかかわらず、米州地域の安全保障機構である米州機構(OAS)から離脱するなど、選挙以降もオルテガ政権は強気の姿勢を変えていない。
選挙終了の約 1 か月後(12 月 9 日)、オルテガ政権は、67 年間(1949-1985年、1990-2021年)外交関係のあった台湾と突然断交し、中国との間で再び外交関係を樹立すると発表した。1990 年以来の復活である。
本稿では、なぜオルテガ政権がそのような決定をしたのか、外交および経済の観点から考察する。あわせて、これまでのニカラグアの台中関係や中国との外交関係復活後の変化を、ニカラグア両太平洋運河への取り組みも含め論述する。
当協会季刊誌『ラテンアメリカ時報』2021-2022 冬号(No.1437)に掲載された同一筆者・浜端喬の記事「続くニカラグア・オルテガ政権」は、本稿分析の背景を理解する上で有用である。(本稿は、2022 年 5 月 30 日までの情勢分析をもとに執筆している)。
2022.06.19 一般公開に切り替え
ファイル名(File Name) | ニカラグアの対中外交2205_最終版.pdf |
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ファイル容量(File Capacity) | 1 MB |
バージョン(Version) | 1 |
作成日(Published) | 2022年6月2日 |
ダウンロード回数(Downloaded Numbers) | 227 回 |
カテゴリ(Category) | ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート |