ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート ILAC2024-6 2024 年7月「歴史から見たラテンアメリカのかたち―その9: 権威主義体制と民政化の時代 」渡邉利夫
【要旨】
この稿では1960年代後半からのラテンアメリカの軍政と民政化をテーマとする。直近の2稿はラテンアメリカを含む西半球の情勢を国際政治からの切り口で俯瞰して語った。この稿では主にこの地域からの視座で各国の権威主義体制(主に軍政)について語る。この時代に多くの国でこの体制が生まれたのは、歴史の中で生まれた軍政を安易に許す文化的土壌、反民主的な封建体制と遅延する改革、貧富の格差、文民政権による経済運営の行き詰まり、軍主導による経済開発への期待、「キューバ革命」以来の左翼勢力に対する脅威などがあった。まだ共産主義に神経質な冷戦の時代であった。
権威主義体制にも色々な型があって、この稿ではブラジル・アルゼンチンの官僚主義型軍政とペルーのポピュリズム型軍政を説明する。また個人独裁についてはドミニカ共和国のトルヒーリョ体制を取り上げる。次いで米国のラテンアメリカ政策を説明する中で、米CIAのチリのアリェンデ政権に対する秘密工作、南米各国の軍政が起こした人権侵害を巡って米国とラテンアメリカ諸国との軋轢を語る。こうしてラテンアメリカの歴史を多視角的に見てみたいと思う。
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| ファイル名(File Name) | ILAC2024_6v2.pdf |
|---|---|
| ファイル容量(File Capacity) | 1 MB |
| バージョン(Version) | 1 Previous versions |
| 作成日(Published) | 2024年7月29日 |
| ダウンロード回数(Downloaded Numbers) | 194 回 |
| カテゴリ(Category) | ラテンアメリカ・カリブ研究所レポート |
